これで失敗しない!タイミング別結納の挨拶・口上の完全マニュアル
婚約をする際の儀式である「結納」ですが、決まりや流れも様々で結納ならではの挨拶・口上(こうじょう)もあり、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は結納の形式や流れ、さらには結納の挨拶で覚えておくべき決まり文句をわかりやすくご紹介します。
この記事を読めば安心して結納当日を迎えられることができるでしょう。
- この記事の内容をざっくり言うと…
- ・結納には「正式結納」と「略式結納」の2つの形式が存在する
- ・結納の挨拶・口上ではタイミング別で押さえておきたいセリフがある
- ・結納の際には忌み言葉を発してしまわないように注意が必要
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結納には「正式結納」「略式結納」の2つの形式がある
そもそも結納とは、両家の結びつきを深めるとても重要な儀式です。結んで納めるという字のとおり、両家が親類となって「結」びついたことを祝い、贈り物を「納」め合うということです。
地域性やしきたりによってやり方は様々です。
そんな結納には、正式結納と略式結納の大きく2つの形式があります。この章では、それぞれの特徴や基本的な流れについて紹介していきます。
正式結納とは
正式結納とは、両家の間を取り持つ「仲人(なこうど)」を付けて行う結納のことです。その仲人が両家の間を行き来し、「結納品」や「受書(うけしょ)」のやり取りをします。
「正式結納」は仲人が仲立ちをするので、両家同士は直接会うことがないのが大きな特徴です。
近年では、仲人への負担の大きさを考慮し、正式結納をする人は減ってきていますが、「正式」という名がつく通り、最も格式が高い結納の形といえます。
正式結納の基本的な流れ
正式結納は、仲人に両家を行き来してもらうことで成立し、両家同士は顔を合わせないのが特徴です。正式な結納はまず仲人を立て、以下のような順序で両家を行き来します。
■正式結納の流れ
1.仲人は男性の自宅を訪問し、口上を述べ、男性側からの結納品と目録を確認し受け取る
2.仲人は女性の自宅を訪問し、口上を述べて男性側からの結納品を渡したあと、女性側からの受書と結納品と目録を確認し受け取る
3.仲人は再び男性の自宅へ戻り、口上を述べて女性側からの受書と結納品を渡したあと、男性側からの受書を受け取る
4.仲人は再び女性の自宅へ戻り、口上を述べて男性側からの受書を渡す
5.女性側は受書を受け取った後、仲人を祝い膳でもてなし、お礼金を渡す
次に、略式結納について紹介していきます。
略式結納とは
略式結納は、正式結納よりもライトなスタイルで行われる結納で、料亭やレストランなどに両家が集まり、その場で結納品を納めるという形式で進められます。
正式結納同様、仲人を立てて行われる場合と仲人を立てずに両親もしくは本人同士で進行する場合があります。
結納としての儀式的で厳かな要素は残しつつも、仲人無しで進行したり、両家が顔を合わせて進められたりする点が正式結納とは大きく異なります。
略式結納の基本的な流れ
略式結納には、仲人を「立てる場合」と「立てない場合」がありますが、最近では仲人を「立てない」ことがほとんどです。また、両家が顔を合わせて進めていく点が、正式結納との大きな違いです。
そんな略式結納の流れを紹介していきます。
■略式結納の流れ
1.結納品を飾り、先に男性側が部屋に入室し、その後女性側も入室し着席する
2.男性側の父親から、始まりの挨拶をする
3.男性側から女性側へ結納品を納める
4.女性側が男性側の結納品の目録を取り出し確認をし、受書を渡す
5.女性側から男性側へ結納品を納める
6.男性側が女性側の結納品の目録を取り出し確認をし、受書を渡す
7.婚約記念品を準備している場合は、披露する
8.男性側の父親から締めの挨拶をする
この章では、正式結納と略式結納の意味や式の基本的な流れについて紹介してきました。それぞれの特徴を知り、どちらを選択するかの参考になるとよいでしょう。
次の章では、結納にはかかせない挨拶について紹介していきます。
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タイミング別!結納の挨拶・口上のかかせない決まり文句
結納を行う場合、結納独特の挨拶や口上などの決まり文句を使います。普段使わない言い回しだけに、戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この章では、主流となっている仲人なしの略式結納での挨拶・口上について紹介していきます。
結納式が開始される始まりの挨拶・口上
まず、結納式の最初に行われる始まりの挨拶・口上について紹介していきます。始めの挨拶は男性の父親が行うのが一般的です。以下、結納挨拶の例文です。
新郎父:「○○様と息子の○○との縁談をご承諾くださいまして感謝申し上げます。これより結納の儀をとり行わせていただきます。」
セリフ自体は短いですが、言いなれない言葉を多くことに加え、本番になると緊張感も出てきますので、しっかり覚えるようにしましょう。
男性側からの結納品受け渡しの際
次に男性側から結納品を受け渡す際に使われるセリフです。結納では、「結納品」をやりとりするときにも、決まった口上を述べます。では、順番に例文を見てみましょう。
新郎母または会場スタッフが新婦側の前に結納品を運びます。その後口上を新郎父もしくは新郎本人より述べます。
新郎父または新郎本人:「これは○○(家)からの結納品でございます。幾久(いくひさ)しくお納めください。」
新婦本人、新婦父・母が目録に目を通し、新婦本人より口上を述べます。
新婦本人:「ありがとうございます。ご結納の品、幾久(いくひさ)しくお受けいたします。」
「幾久(いくひさ)しく」という言いなれない言葉が出てきますので、こちらもしっかり覚えるようにしましょう。
受書の受け渡しの際
次に、受書を受け渡す際のセリフです。結納品の受け渡しと同様、受書の受け渡しでも決まった口上を述べます。新婦母が新郎の前に受書を運びます。その後新郎父より口上を述べます。
新婦父:「○○(家)からの受書でございます。幾久しくめでたくお納めください。」
ここでも「幾久(いくひさ)しく」という決まり文句を使います。
女性側からの結納品受け渡しの際
女性側から男性側へ結納品(結納返し)を渡す場合や、それに対して男性側から受書を渡す場合も、同じように目録に目を通し口上を述べます。セリフの主体を入れ替えてそのまま使います。
婚約記念品披露の際
婚約指輪など、婚約記念品があればお披露目や取り交わしをします。特に決まったセリフはなく、事前に男性から女性に贈っているのなら、「婚約記念品としていただきました」と見せるだけでも大丈夫です。
最後に結びの挨拶
いよいよ最後の結びの挨拶です。結納が無事すんだことの感謝と、今後の両家のお付き合いについてのお願いを述べましょう。結納挨拶は、新郎父親がする場合と新郎本人がする場合があります。以下両方見ていきましょう。
■新郎父親がする場合
新郎父:「本日はどうもありがとうございました。おかげさまで、無事に結納を納めることができました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
新婦父:「こちらこそ、ありがとうございました。今後とも末永くよろしくお願いいたします。」
■新郎本人がする場合
新郎:「本日はわたしたちのために、このような席を設けていただき、ありがとうございました。2人でこれから力を合わせて幸せな家庭を築いていきます。今後とも温かく見守ってください。よろしくお願い致します。」
新郎本人が挨拶する場合は、両家への感謝の気持ちと、今後のお力添えをお願いしましょう。
これで結納の挨拶・口上は全てです。難しい言い回しもあるかもしれませんが、結納を滞りなく成功させるために重要なポイントですので、シーンごとのセリフをしっかり覚えましょう。
次の章では、結納の挨拶・口上の際に注意するポイントについて紹介していきます。
結納の挨拶・口上の際の注意ポイント
結納の挨拶・口上を述べる際は、注意しなくてはならないポイントがあります。以下ひとつずつチェックしていきましょう。
忌み言葉は使用しない
結納の挨拶・口上では、忌み言葉は使わないように注意しましょう。忌み言葉とは、縁起が悪いとされる言葉です。
例えば、別れや終わりを連想させるような、「切れる」「終わる」「捨てる」「消える」という言葉は使わないようにしましょう。
また、結婚は1度だけがいいことから、繰り返しを意味する「かさねがさね」「いよいよ」も結納の場にはふさわしくない縁起の良くない言葉ですので、使わないように注意しましょう。
全て暗記とは言わず、決まり文句をチェック
結納の挨拶・口上は、全て丸暗記しなくてはならないということではありません。言いにくい言葉は、自分なりに言いやすい言葉に変えても大丈夫です。
ただ、せっかくの厳粛な場ですので、雰囲気を乱さない言葉選びをしたいものです。そんな場合は、以下のセリフだけでも押さえておくようにしましょう。
・お日柄もよく
・幾久しくお納めください
・幾久しくお受けいたします
上記のようなセリフだけでも覚えておけば、結納の雰囲気が一気に締まります。ぜひ参考にしてみてください。
この章では、結納の挨拶・口上を述べる際の注意ポイントについて紹介しました。しっかりポイントを押さえ、和やかかつ円滑に結納を進められると良いでしょう。
次の章では、結納の挨拶に関する疑問をまとめて紹介していきます。
解消しておきたい!結納の挨拶に関するQ&A!
一通り結納の挨拶の流れやセリフについて紹介してきましたが、シチュエーションやケース別での疑問が出てくることでしょう。ここでは、そんな結納の挨拶に関する疑問をQ&A形式で紹介していきます。
父親が不在の際はどうなりますか?
父親が不在という場合は、基本的には母親が代役を務めることが多いようです。他にも、以下のような形で進めることもできます。
・他親族(伯父など)が同席する
・本人主体の結納にする
父親がいないからといって結納が成立しないわけではないので、家族の形に応じて柔軟に対応しましょう。
目録って読み上げなければいけないですか?
目録を読み上げる必要はありません。目録には結納品のほかに「幾久しく敷目出度く御受納ください」などの文章が書いてあります。緊張する場面ですので、読み上げる場合は数回練習しておくと安心です。
挨拶や口上の決まり文句は絶対暗記しますか?
それほど長いセリフでもありませんので、暗記できればしておくのがベストです。暗記が難しい場合はシナリオを用意して読んでもよいでしょう。
結納金のみの場合の口上ってどうなる?
結納はしないけれど、結納金のみ受け渡しをするという場合の決まった口上はありません。「婚約の印として、結納金を持参いたしました。幾久しくお納めください」と一言添えて渡すようにすると良いでしょう。
この章では、結納の挨拶の疑問について紹介してきました。一つ一つ疑問を解消し、結納を行う際の参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたか。今回は結納の挨拶についてご紹介しました。
要点をまとめると・・・
・結納には「正式結納」と「略式結納」の2つの形式が存在する
・結納の挨拶・口上ではタイミング別で押さえておきたいセリフがある
・結納の際には忌み言葉を発してしまわないように注意が必要
この記事を参考に、結納当日も焦ることなくスムーズに挨拶・口上が出来ると良いでしょう。