神前式の流れを紹介!当日は神職や巫女がサポートしてくれるから安心
神前式を検討しているけれど、参列した友人の結婚式は教会式が多く、実際に神前式ってどのような挙式なのかイメージが湧かず困っていませんか?
今回は神前式の流れを詳しくご紹介します。また、神社か館内神殿で悩んでいるカップルも多いと思いますので、それぞれのメリットデメリットを紹介します。
この記事を読めば神前式について詳しく理解する事ができ、自身の結婚式で神前式をどのようなスタイルで行うかを判断する事が出来るでしょう。
- この記事の内容をざっくり言うと…
- ・神前式は室町時代から伝わる結婚式のスタイル
- ・マナーを知らなくても当日は神主や巫女がリードしてくれるので安心
- ・神社で神前式を挙げるなら春がおすすめ
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神前式はどのような挙式なの?特徴と起源
神前式とは「和装」を着て神前で誓いを立てる日本古来の挙式です。
その起源は室町時代に行われていた武家の結婚式から続いていると言われています。当時は、現在の神前式の内容と比較するとより簡略的な内容だったようです。
現在の形になったのは1990年。当時の皇太子、のちの大正天皇が皇居にて挙式を執り行ったことが、現在の神前式の形がはじまったきっかけとされているようです。
神前式の平均挙式料は33.9万円
実際に神前式を執り行う場合、神前式の挙式料は平均33.9万円程です。
伝統的な神社で執り行うこともできるため、費用が高いというイメージをもちやすい神前式ですが、実は、洋装で執り行う教会式の平均挙式料は41.5万円のため、神前式のほうがお値打ちになるケースが多いのです。
さらに、洋装での挙式は人前式という挙式スタイルもありますが、人前式の平均挙式費用は28.8万円のため、選ぶスタイルでも費用差が出ることがわかります。
神前式の流れ(新郎新婦の動き)
次に神前式の具体的な流れを紹介していきます。
挙式を執り行う神社・会場や地域によっても進行内容が異なる可能性がありますが、ここでは一般的なものを例としてご紹介いたします。
1.参進の儀
巫女の先導に続き、新郎・新婦、両親、その他の参列者が神殿に向かいます。
雅楽の音のなか、歩を進めます。
2.入場
新郎・新婦は神前の正面に、新郎側親族は向かって右側、新婦側親族は向かって左側に、それぞれ血縁関係の濃い順番で、席につきます。
3.修祓の儀
挙式の前に、新郎・新婦、参列者の身を清めるためのお祓いを受けます。
4.祝詞奏上
神職が結婚を神様に報告するため、祝詞を読み上げます。
5.三献の儀
新郎新婦が、巫女から継がれる神酒で三々九度を行います。
小中大の大きさが異なる3つの杯を使用します。
まずは新郎が継がれた神酒を三度に分けて、飲みます。次に同じ杯を使い新婦も同様に三度に分け神酒を飲みます。次に杯を変え、今度は新婦からのみ、新郎も後に続きます。最後1回目と同様に新郎から神酒を汲みます。
6.神楽奉納
巫女が雅楽に合わせ、結婚を祝い舞の披露をします。
7.誓詞奏上
神に誓いを立てるため、新郎・新婦が神前に進み誓詞を読み上げます。基本的には、新郎が読み上げ、自分の名前のみ新婦が読み上げます。
誓詞は用意されているため、自分で考える必要はありません。
8.玉串拝礼
玉串を新郎・新婦それぞれもち、神前に捧げます。捧げる際には右手で葉先を、左手で茎をもち、時計回りに半回転させて、供えます。
9.親族杯の儀
両家の結びつきを祝うため、参列した親族と新郎・新婦全員で、神酒を三度に分けて飲みます。
10.斎主挨拶
神職と新郎新婦、参列者が一同に神前に拝礼、祝いの挨拶をします。
11.退場
神職に続き、新郎新婦・参列者が退場します。
以上が神前式の一通りの内容とです。
全ての儀式は、挙式前に説明がありますし、本番の進行も巫女が先導してくれるため、全てを覚えておく必要はありませんので安心してください。
神前式で使用するアイテムの名称だけでも覚えておくと、説明を受けた時にもイメージが付きやすいので、お勧めです。
神社で挙げる?館内神殿?それぞれのメリット・デメリット
ここまで神前式の概要をご紹介していきました。実際に神前式を検討していきたい場合どのようにすすめればよいのでしょうか。
神前式は神社で執り行うだけでなく、結婚式場やホテルの中に併設された館内神殿でも執り行うことが可能です。
では、神社での神前式と館内神殿の神前式は何が異なるのでしょうか。
ここからは、それぞれのメリット・デメリットをご紹介していきます。
神社挙式のメリット
神社での挙式の一番大きいメリットは、本格的な挙式ができるということでしょ。神社での神前式でも、館内神殿での神前式でも主な進行は変わりません。
それを、伝統のある歴史的な場所でできるのは、神社での神前式でしか味わえない特権と言えるでしょう。
敷地が広い神社であれば、参進の儀の距離も長くなり、挙式が始まる前の緊張感をより味合うことができます。
神社挙式のデメリット
デメリットに感じやすい点は2点あります。
1点目は、参列者以外の人の注目を浴びる可能性があるということです。
神社は一般の方にも開放している空間のため、挙式に関係のない人がいます。参進の儀は、その参拝者の中を歩む場合もあるため、他の人の目に触れる可能性が多いです。
逆に挙式に参列できない友人や知人に会うことができるのは、メリットといえるかもしれません。
2点目は、挙式後のパーティについてです。
神社に隣接した場所でそのままパーティを行える場合もありますが、雰囲気を重視する方はパーティー会場を別場所に設定するカップルが多くいます。
その為、新郎新婦含めゲストは神社からパーティ会場へ移動する必要があります。あまりにも不便な場所や、距離が遠い場所であればゲストに負担をかけてしまうため、パーティ会場を探す際には配慮が必要です。
神社挙式は春が一番おすすめ
もちろん神社での神前式は通年行うことができますが、一番のおすすめは春の時期になります。その理由として、一番は気候の良さです。新郎・新婦、参列者共に神社での挙式は、どこかのタイミングで必ず外に出ることが必須となります。
また、神殿が外と通じている神社や室内にあっても冷暖房の設備がしっかり整っていない神社もあります。その為、春の穏やかな気候の時期であれば、過ごしやすく不便なく挙式を執り行うことができます。
秋も春同様気候のいい時期ですが、七五三で利用する一般客が多いため、予約が取りづらかったり神社の利用者が多い時期となるので、注意が必要です。
館内神殿挙式のメリット
では、逆に館内神殿での神前式はどのようなメリットがあるのでしょうか。
前述のとおり、館内神殿はホテルや結婚式場の中に併設されているため、神殿以外の設備がしっかり整っていることがメリットといえるでしょう。
そのまま同場所でパーティができるのはもちろん、ゲストの更衣室や美容室、宿泊施設なども整っているため、全てを一か所で完結することができます。遠方ゲストが多かったり、年配ゲストがいる場合は、喜ばれそうです。
また、室内のため気候や天候を気にせずに執り行える点もメリットといえるでしょう。神社での神前式は春の挙式がお勧めだとお伝えしました。もし春の検討が難しい場合は、館内神殿での挙式を併せて検討してみるといいでしょう。
館内神殿挙式のデメリット
デメリットとしては、神社と比較した際の規模の違いです。
どうしても室内に設備されているため、神社よりも小規模な館内神殿が多くみられます。アットホームさはありますが、参列ゲストが多い場合は最大収容人数を確認しておく必要がありそうです。
神前式の衣裳はどうしたらいいの?白無垢・色打掛・引き振袖の特徴
神前式は、和装を着て執り行う挙式スタイルです。
新婦の和装には3種類あり、白無垢(しろむく)・色打掛(いろうちかけ)・引き振袖(ひきふりそで)が新婦の代表的な和装です。
ここからは衣装について詳しく紹介していきす。
白無垢
白無垢とは、上から下まで純白で統一した着物で、白無垢は室町時代から武家の娘の婚礼に用いられるようになった花嫁衣裳のことです。
神様に使える人の衣装が白だったことから挙式衣装として用いられることになったようです。
髪型は、かつら・洋髪から選ぶ事ができ、白無垢だけにあわせる事ができるのが綿帽子です。
挙式中に新郎以外お顔を見せないという意味があり、丸みのあるデザインの為、花嫁が優しい印象を与える事ができるのが特徴です。また、顔も隠れるので、小顔効果があります。
色打掛
着物の中でも色とりどりの色に染まった着物です。小袖の上に帯を締め、その上から豪華な文様が描かれた着物を打ちかけていたことから、「打掛」と呼ばれるようになりました。
近年では白無垢と同格として扱われ、白無垢と同様に花嫁衣裳を代表するものです。花や木など季節の植物をモチーフにした柄が多くみられます。
髪型は上記で伝えた「綿帽子」を合わせることはなく、「角隠し」もしくは「綿帽子をかぶらない洋髪」となります。
現代では、鮮やかさ・華やかさから特に人気が高く、未婚女性のうち63.3%の女性が憧れているとの結果が出ています。
引き振袖
引き振袖とは江戸時代に武家の娘が婚礼衣装として使用していた着物を指します。中でも黒に染められ、鮮やかな模様が際立つ「黒引き振袖」は特に人気が高く、現代でも結婚式に使用される伝統的な衣装です。
振袖と聞くと、成人式に着用するのが一般的なイメージですが、成人式で着る振袖と違い、裾が長く裾を引きずって歩くことから、「引き振袖」という名称になったといわれています。
色打掛と違い、帯が目立つ着付けで、より華やかさを出すことができるため、披露宴でのお色直しで選ぶ花嫁も多くいます。
新郎衣装は紋服
男性は紋服を着るのが一般的です。紋服とは家紋を付けた礼装用の和服のことで、紋付き袴とも言います。
家紋の由来は平安時代にさかのぼり、当時の公家には家の出を示すために家ごとの紋があり、それを着ものに記したことが代々伝わっています。
現在もご自身の家の家紋を入れられる方もいますが、ご自身の家の家紋がない場合は一般的な家紋がすでに入れられているので、特に問題ありません。
神前式でも「かつら」にしなくていい!洋髪もOK
ここまで神前式の際に着る、和装についてご紹介してきましたが、神前式を検討される方が心配するのが新婦のヘアスタイルです。
昔ながらのイメージだと、和装での結婚式の場合、写真のようなかつらを被っている姿が想像できるかもしれません。
もちろん現代もかつらをかぶり、全体的に和のスタイルにまとめることも可能ですが、最近はヘアスタイルだけを洋髪にし現代風なスタイルに作り上げることも可能です。
それぞれのスタイルをより詳しくご紹介していきましょう。
伝統的な美しさ!かつらの特徴
婚礼のかつらといえば「文金高島田」というスタイルの髪型です。
昔の女性は髪の毛を長く伸ばし、自分の髪の毛で結っていたようですが、近年は「文金高島田」の形に結われたかつらを被るのが一般的です。
また、かつらのスタイルでも下記のようなパターンがあります。
角隠し
「文金高島田」のかつらをつけ、その上にかぶる帯状の布のことを「角隠し」と言います。女性の角を隠し、夫に従順になるという言い伝えの元、名前が付いたともいわれています。
綿帽子
白い帽子のようなものをかぶるスタイルのことを指します。昔は上記の「文金高島田」の和髪の上に被るものでしたが、最近では洋髪スタイルの上に被る新婦も増えています。
挙式が終わるまで、「新郎以外に顔を見せることがない」という意味があります。
和装×洋髪は自分らしいスタイルで結婚式が叶う
かつらはかぶりなれてなく、懸念される女性も多いようです。その為、なじみやすい洋髪を選び和装と組み合わせる新婦が増えています。
洋髪であれば、好きなスタイルを自分で決めることができるため、自分らしさを出すことが可能です。着物が映えるように髪をアップにまとめ、うなじをみえることで、より女性らしさをアピールすることが可能です。
和装のヘアスタイルをもっと知りたい方は、こちらを参照ください。
神前式と人前式の違いってなに?全く違う挙式スタイル
ここまで、神前式について詳しくお伝えをしてきましたが、神前式とは別にもうひとつ和装で挙げることができる挙式が「人前式(じんぜんしき)」です。
神前式(しんぜんしき)と読み方が似ていることから、違いが判らないという人もいるでしょう。
「人前式」とは洋装でも和装でも挙げることができるため、より自由度が高い挙式スタイルです。一番大きな違いは、宗教色がないことで「人前式」は神に誓うのではなく、参列したゲストに誓いを立てる式となります。
その為、牧師や神主などはおらず、司会者が挙式を進行していきます。特に決まりがない挙式スタイルため、二人のオリジナル性をだすことができるのも、人前式の特徴です。
例えば、署名の立会人は仲のいい友人や、兄弟に頼んだり、誓いの言葉を二人で作ることも可能です。また、挙式中の音楽を2人の思い出の曲などに指定することもできます。もう一つ違う点として、挙式参列者違いです。
基本的に神前式は両家のつながりをあらわす儀式が多いため、友人や主賓などは披露宴からのご招待が一般的で親族のみの参列になります。人前式は特に縛りがないため、招待したいゲストに参加してもらうことが可能です。
和装での挙式を検討する場合は、挙式の内容・呼びたいゲスト層に合わせて、人前式・神前式を比較するといいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は神前式についてご紹介しました。
要点をまとめると・・・
・神前式は室町時代から伝わる結婚式のスタイル
・マナーを知らなくても当日は神主や巫女がリードしてくれるので安心
・神社で神前式を挙げるなら春がおすすめ
この記事を参考に、神前式について詳しく理解する事ができ、自身の結婚式で神前式をどのようなスタイルで行うかを判断する事が出来ると良いでしょう。
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